84円
無意味に徹夜をしました。進捗はありません。
一晩中目を覚ましているというのは、私の知る限り最悪の愚行です。
睡眠より優先される事項などない。
何をするにも一旦寝てからやった方が良いに決まっています。
これまでの、数度の経験からもそれは分かっている。
なんで私は、すべきでないと分かっている事ばかりやっているんでしょうか?
やるなと言われるとやりたくなるというのは人類共通の性向らしいですが、それにしたって度が過ぎている。
まあ、目先の事ばかりに注意を向け、長期的に見れば不利益になる行為を繰り返すのは今に始まった事でもないんですが。
徹夜した日の朝って嫌ですよね。
常にもまして朝日が憂鬱です。閉め切ったカーテン越しに、薄い光が部屋を照らしている。
一日の始まり。苛立たしい鳥の囀り。
隙間から少し覗いてみると、電柱の向こうに雲が浮かんでいる。
勝手に青空にならないでくれ。ついさっきまで真っ暗だったじゃないか。
どうせ昼など暑いだけだから、ずっと夜であって欲しい。
しかし一度昇ってしまった朝日は、半日くらい経たないと引っ込んでくれないのです。
別にこの日に限らずとも、物事の始まりはいつだって忌まわしい。
仕方がない。
切手は一応買ってあります。
適切なサイズの封筒も用意しました。
ひとまず、封筒に宛名を書かなければなりません。