俺は何もやりたくない
顔を洗い、髭を剃り、水を用意して外出し、髪を切らねばならない。
切手を買い、本を借り、帰ったら部屋の掃除をして、それから仕事を始めなければならない。
それらはこの先の苦痛を低減するために必要なことだ。
精神の均衡を保つために不可欠な行為だ。
実行しなければ、ますます状況が悪化するのは目に見えている。
こうしている間にも刻一刻と期限は迫っているのだ。
その場に留まっていたければ、前に進み続ける必要がある。
このまま成り行きに任せて破滅すれば、怠惰の謗りは免れない。
だからどうだって言うんです?
私は怠惰な人間なので、外に出ないし、布団から出ないし、この後また昼寝します。
最近何もかも面倒で、外へ酒を買いに出かける気力すら起きません。暑いし。
酒が無いのは非常に精神衛生上良くないのですが、面倒くささが勝っているので仕方がない。
幸いなことに、睡眠がある程度、酩酊の代用品となってくれます。
何も考えずに済むという点で、両者にそこまでの違いはない。
過ぎれば毒となる点も似ています。
寝過ぎで背中と頭が痛い。辛いのでまた寝る。寝ると症状は悪化する。
まるで私は睡眠中毒、女の子なら眠り姫にでもなれたかもしれないが、残念ながら三年寝太郎が関の山といったところです。
まあ三大欲求と言われるだけのことはありますね。他と違って金がかからないのがせめてもの救いか。
その代わり、私の時間は物凄い勢いで磨り減って行くわけですが、どうせ残りの人生も碌でもないので問題ありません。
何だかこうしている間にも、将来への負債のようなものが積み重なり続けているようです。これ以上増えてどうなるっていうんだ。
頼むから自己破産させてください。